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坂本勇人を9人並べた打線と,鈴木誠也を9人並べた打線。どっちが強い?

はじめに

こんにちは!field_flatです.

本日は久しぶりにプロ野球データ解析の記事です. プロ野球の開幕日時が決まりましたね.6/19らしいです. また日本シリーズも11/21開幕予定らしいです.プロ野球ファンにとっては開幕が非常に待ち遠しいですね.

さて,そこでふと思いました.「本塁打王を9人並べた打線と,首位打者を9人並べた打線,どっちが強いんだろう?」と. 本当にふと思いました.特に何のきっかけもなく.

疑問に思ったら即実行. 2019年度のセリーグ首位打者鈴木誠也と,セリーグ本塁打王坂本勇人で比較してみました.

Assumption

今回は以下の仮定のもとで実験を行いました.

  • 一試合通じて同一人物を打席に立ち続けさせる.
  • 2019年度のデータを利用する.坂本勇人に関してはこちら鈴木誠也に関してはこちらのデータを利用する.
  • 打率はランナーの状況ごとに変化するが,ボールカウント,相手投手,球種,イニング等の他のパラメータからは影響を受けない.
  • 凡打の場合,ランナーは動かずアウトカウントのみが増えるものとする.
  • 安打の場合,以下の表を元に確率的に次のランナー状況が決定する.
単打 二塁打 三塁打 本塁打
ランナーなし 一塁 二塁 三塁 ランナーなし(得点1)
一塁 一、二塁(確率0.5)・一、三塁(確率0.5) 二、三塁 三塁(得点1) ランナーなし(得点2)
二塁 一、三塁(確率0.5)・一塁(確率0.5,得点1) 二塁(得点1) 三塁(得点1) ランナーなし(得点2)
三塁 一塁(得点1) 二塁(得点1) 三塁(得点1) ランナーなし(得点2)
一、二塁 満塁(確率0.5)・一、二塁(確率0.5,得点1) 二、三塁(確率0.5,得点1)・二塁(確率0.5,得点2) 三塁(得点2) ランナーなし(得点3)
一、三塁 一、二塁(得点1) 二、三塁(確率0.5,得点1)・二塁(確率0.5,得点2) 三塁(得点2) ランナーなし(得点3)
二、三塁 一、三塁(確率0.5,得点1)・一塁(確率0.5,得点2) 二塁(得点2) 三塁(得点2) ランナーなし(得点3)
満塁 満塁(確率0.5,得点1)・一、二塁(確率0.5,得点2) 二、三塁(確率0.5,得点2)・二塁(確率0.5,得点3) 三塁(得点3) ランナーなし(得点4)
  • 試合のイニング数は規定通り9回とし,100,000試合行い,平均得点で強さを比較する.
  • ランナー状況別の打率に関しては以下の通り.
選手名 ランナーなし 一塁 二塁 三塁 一、二塁 一、三塁 二、三塁 満塁
坂本勇人 0.313 0.292 0.370 0.500 0.250 0.438 0.091 0.273
鈴木誠也 0.367 0.307 0.159 0.083 0.333 0.421 0.500 0.625
選手名 単打 二塁打 三塁打 本塁打
坂本勇人 0.618 0.150 0 0.231
鈴木誠也 0.648 0.185 0 0.167

実験結果

実験結果は以下の通り.

選手名 平均得点数
坂本勇人 5.4800
鈴木誠也 6.3572

平均得点数のみで考えると,鈴木誠也を9人並べた打線の方が強いことが分かりました.

ちなみに,他の選手でも平均得点数を導出してみました.

選手名 平均得点数
山川穂高 4.64706
吉田正尚 5.53551
村上宗隆 4.04377
森友哉 5.68165

考察

今回は非常に単純なケースでの比較ですが,両者ともに一試合平均大体5 ~ 6点くらいはコンスタンスに得点できることが分かりました. また今回は鈴木誠也を9人並べた打線の方が強いとの結論が得られましたが,細かいパラメータを含めたら結果はどうなるか分からないです. 今回の実験で土台は構築できたので,次は細かい条件(アウトカウント,ボールカウント,得点差,イニングなど)を含めて解析してみたいと思います.

ソースコード

github.com

参考文献

baseballdata.jp